人生で初めて乳首にダメ出しをされた話
人生で、他人に乳首をダメ出しされたことはありますか?
私にとって、おっぱいとはほんの体の一部。
ちょっと大きいと男ウケが良くてラッキー。
それくらいの認識だった私が、妊娠をきっかけに初めておっぱいと真剣に向き合うことになったのでした。
まず妊娠をすると、ホルモンの関係で乳首の色が徐々に濃くなりはじめます。
(個人差あり)
諸説ありますが、生まれたばかりでまだ視力の悪い赤ちゃんがおっぱいをすぐ見つけることができるように色が濃くなるんだそうで。
人間の仕組みってすごい。
しかしこれ、出産したら元に戻るんだろうか?
今私が裸のまま田んぼの中に突っ立ったら、鳥達が逃げていくんではなかろうか?
乳首がそれくらいの存在感を出し始めたのです。
闇に飲まれし我が漆黒の乳首。
完全にダークサイドに堕ちてしまった私のかわいい乳首。
もし離婚を切り出されても
「私!もうお嫁に行ける乳首じゃないからむりぃぃぃ!!脱げない体にしたんだから、お前はこの鳥除けおっぱいとともに墓場まで付き合う義務がある!!!」
とつっぱねる理由の一つになるくらいには黒くなりました。
そんなふうにあれよあれよと変化していくおっぱいについていくことができぬまま、その日は訪れました。
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ある日、私は産院で乳首をごりごりとつままれながら言われました。
「乳首が硬すぎる!初産の人は特にそうなんだけど、このままじゃ赤ちゃんがおっぱいを吸えない!!乳首を柔らかくするためのマッサージをして!」
わたしは衝撃を受けました。
初対面の赤の他人に!!!
乳首をごりごりに摘まれた上!!!!
ダメ出しをうけるなんて!!!!
私にとってただの飾りのような存在だったおっぱい。
女の記号のようなものだったおっぱい。
それが、これから初めて機能を持つ。
いやそんなことよりも
柔らかい乳首ってなに???!
マッサージの手順のプリントを渡されたのですが、それはマッサージとは名ばかりの痛さ。
言うなれば乳首を鍛える修行…と言った方が正しいでしょうか。
助産師さんに乳首をおもっくそ握り潰される得度の儀式を受けたその日から、私は日々乳首修行僧としてゴリゴリと乳首を鍛えました。
暑い夏の風呂も寒い冬の風呂も、毎日毎日泣きそうになりながら痛みに堪え鍛え続けました。
だいぶ柔らかくなっただろ!と思っても、助産師僧侶から妊婦検診のたびに「まだまだ!」とダメ出しを受ける日々。
しかしね?
硬いと言われても正しい柔さがわからない。
全知全能の神、Google様に「乳首 妊娠 正しい柔らかさ」でお伺いしてもでてこないし、授乳中の方に「ちょっと参考によろしいですかー?」と触らせてもらうわけにもいかない。
今まで人生で見たことも考えたこともない
「あるべき柔らかい乳首」
とはなんぞや?と、ゴダイゴが幻の地ガンダーラを探し続けたように、私も幻の乳首を手探りのまま追い続けるのでした。
どうしたらなれるのだろう。教えてほしい。
For 柔乳首〜柔乳首〜
(この歌若い子わからんよな)
そうして柔乳首免許皆伝がいただけないまま出産。
産まれたての我が子をおっぱいの近くに寝かせると、誰から教わるでもなく自然に乳首をくわえて吸い始めた時の生命の神秘たる感動はひとしおでした。
おぉ…これが話に聞いていた黒い乳首に引き寄せられるというやつか?
まさに今、私の乳首はブラックホール。
肝心の乳首は硬いままだったからか、あまりおっぱいが出ず苦労したのですが、めげずに赤子にすわせ続け一週間ほどで出るように。
そしてとうとう幻の柔乳首の境地にたどり着いたのでした。
これがガンダーラ…
うむ…確かに今までの比じゃないくらい柔い…
しかし今は乳はその任務を終え、柔いままとなった乳首は下を向いています。
どうした私のガンダーラ…
クララもたったんだからお前も頑張ってくれよ。
おっぱいだけじゃなくて乳首も垂れる!
これが本日皆さんに覚えて帰っていただきたいことです。
色は元に戻りました。
女性のみなさん安心してね。
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