諸見里が凶器になったあの夜の話。
とある日の夜、私は銀座にいました。
そう、合コンです。
私は合コンが好きでした。
相手に会うまでのドキドキ、初めて会う人から聞く自分の知らない分野の様々な話、もう何度も聞いた友達のいつもの自己紹介、そこに入る男性からのツッコミ、「これ言われるの何度目かな」と心の中で堪える笑い。
たとえハズレだった合コンでもその後の女子会で笑い飛ばせば最高の夜になりました。
そんな数ある合コンの一つがその夜でした。
「はじめまして。」
いつものように普段よりもおしとやかに挨拶をしたその先に座っていた男性。
それが彼でした。
これが少女漫画ならこの彼はこの後ちょっと憎らしい存在になりつつ、気づけば恋に落ちている運命の相手なのでしょう。
でも舞台はこのクソブログ。
先に申し上げて起きますが彼とは何も起きません。
ただ彼を見た瞬間、私に雷が落ちました。
諸見里に!!めちゃくちゃそっくりだ!!!!
しかし一応私はこれでも分をわきまえたいい大人。
諸見里と言われたところで喜ぶ大人はいませんし、芸能人の◯◯に似てるね〜ネタは地雷だということは百も承知。
心にグッと留めておきました。
さっそく自己紹介が始まり、口を開いた諸見里(仮)
口を開けばなんとまさかの滑舌も諸見里そのもの!!
私の心の中で諸見里(仮)から諸見里(確定)へ静かにレベルアップした音が聞こえました。
その日も合コンはいつものように淀みなく進んでいき、やれいくつに見えるかだ、血液型が何っぽいだとかお決まりのパターンの会話を経た後、とうとう恐れていたあの話題に突入しました。
そう、芸能人で言うと誰に似ているか。
この流れが来たとして私の口からは到底言えません。
でもやっとここで答え合わせができる…。
諸見里の名前が出たら、彼は私の中で諸見里(レジェンド)に進化する…。
そう思いながら諸見里(確定)のターンを迎えました。
諸見里(確定)「俺、芸人に似てるってよく言われるんだよね。えっと、ど忘れしちゃった。あの、、、。」
やっぱり!!!そうだ!!これは!!完全なる!!前フリ!!!!
私は興奮しました。
OK!いじっていいやつだな!!(確定)からのキラーパス、しかと受け取ったぜ!!
「諸見里だ!!」
彼からのGoサインを受け取った私は早押しクイズかのごとく答えました。
決まった!!美しいゴール!!
お前のパス、しっかりと受け止めたぜ!!
これが男性陣の定番の流れなんだろ??おぉ??
違いました。
全然違う芸人でした。
衝撃すぎてもうだれだったか覚えていません。
諸見里じゃなかった衝撃、芸人という一言を聞いて勝手に確信を持って諸見里の烙印を押してしまった申し訳なさ。
そうに違いないという思い込みは人を盲目にさせる。
自分が正解だと思っていることは必ずしも他の人にとっての正解ではない。
そして諸見里という見切り発車できっと彼の心を傷つけた。
反省しました。
今でも諸見里を見ると胸が少しキュッとします。
諸見里という言葉が凶器になったあの夜の話。
やまとなでし子 (@yamatonadeshi5) | Twitter